マスタープランの理念を実現するため,情報環境の達成目標として,利便性,安全性および信頼性の3つの観点から,情報環境の評価指標を設定し,総合的に評価し,調和のとれた情報環境の構築をめざす.
(1) 利便性
開放的かつ機能的な情報環境を構築する観点から以下の評価項目を設定する.
a) ユーザ満足度(サービス,ユーザインタフェース,設備の充実度など)
b) 記録する個人活動履歴の必要十分性
c) 大規模計算環境の維持および速度向上
d) 情報ネットワークの開放性,運用安定性,到達性,容量
(2) 安全性
コンプライアンス(法令遵守),セキュリティ(安全保障,警備,防衛),プライバシー(個人情報保護)のそれぞれの視点から,利用者にとって安心・安全な情報環境の実現を目指した評価項目を設定する.
システム設計およびシステム運用に対する安全・運用基準を定め,システム導入者,情報基盤運用者および情報サービス提供者に遵守させる一方,情報環境に関する倫理教育を行う.他者を攻撃せず自己を守るという両面から安心安全をとらえる.むやみに完璧な解を求めず,他の水準とのバランスをとりながら合理的な解の達成を評価する.
a) システム設計安全基準
b) システム運用基準
c) 利用者ICTスキル標準
d) ICTキャリア制度等の人材育成施策
e) セキュリティ基盤
f) セキュリティ監査
g) コンプライアンス基盤
(3) 信頼性
情報環境の継続的な維持のために考慮すべき事項を評価項目とする.情報システム運用時の信頼性評価概念RASに従って可用率などを定める.また,運用においてエネルギー省力化施策に貢献するグリーンICTを重視する.
a) 各情報基盤,各情報サービスの可用率,故障率,保守性等
b) グリーンICTアーキテクチャの研究開発と導入
c) ICTシステム運用者の技術・運用スキルレベル
d) 長期的なシステム運用更新計画